ドメインが値上がりするのはなぜ?知っておきたい仕組みと対策

「ドメインの費用がじわじわ上がっている気がするけど、なぜ?」
そう感じたことはありませんか?
とくに人気ドメインである「.com」は、ここ数年で価格が大きく上がり、今後もさらに上昇する可能性があります。
じつは、ドメインの価格は単なる事業者の都合だけで決まっているわけではありません。
レジストリという管理組織の卸値や為替相場、複数の事業者を経由する流れといった、表からは見えにくい仕組みがあります。
「なぜ値上がりするのか」「どこで価格が決まるのか」を知っておくと、将来の値上げリスクに備え、長期的なコストを抑えるための工夫がしやすくなるのです。
この記事では、ドメインの価格が決まる流れや仕組み、値上げに備えるための具体的な対策方法を分かりやすく解説します。
「仕組みを理解して、賢くコスト管理したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
「.com」が10年間で70%超の値上がり?
ドメインが値上がりする仕組みを解説する前に、実際の急激な値上がり事例を一つ紹介します。
それは世界でもっとも利用されているドメイン「.com」です。
2021年から2030年までの10年間で、なんと70%以上も価格が上昇する可能性があります。
その背景には、管理元のVeriSign(ベリサイン)が2021年以降、毎年最大7%の卸値の引き上げを続けている事情があります。
2021年から2025年まででも約30%も卸値が上昇しており、2027年以降も同様の値上げが見込まれています。
年 | 卸値の値上がり | 2020年対比の値上がり率 |
---|---|---|
2021 | +7% | 7.0% |
2022 | +7% | 14.5% |
2023 | +7% | 22.5% |
2024 | +7% | 31.1% |
2025 | 据え置き | 31.1% |
2026 | 据え置き | 31.1% |
2027 | +7% | 40.3% |
2028 | +7% | 50.1% |
2029 | +7% | 60.6% |
2030 | +7% | 71.8% |
このまま卸値の上昇が進めば、2030年時点では、値上がり前の2020年と比較して、70%以上も価格が上昇する見込みです。
管理元のVeriSignはドメインの安定的な運用やセキュリティ維持のために多くのコストをかけており、直近の傾向を踏まえると、今後も継続的に価格が上昇する可能性が高いでしょう。
「.com」が「.jp」より高くなる?
「.com」の値上がりペースが今後も続けば、同じく人気ドメインである「.jp」より高額になる可能性もあります。
「.jp」は「.com」と並んで利用候補にあがることが多いドメインですが、「.com」よりやや高めの価格で提供されることが多くありました。
そのため、コストを重視する利用者には「.com」が選ばれやすく、「割安で定番のドメイン」として位置づけられてきました。
しかし、「.com」の値上がりが続けば、この関係は変わるかもしれません。
2025年調査時点のおおよその相場を起点に、これまでのペースで「.com」が6年周期で値上がりを繰り返すと仮定した場合、2034年には「.com」が「.jp」を上回る試算になります。
年 | .com 価格(円) | .jp 価格(円) | 備考 |
---|---|---|---|
2025 | 2600 | 3700 | ※価格据え置き |
2026 | 2600 | 3700 | ※価格据え置き |
2027 | 2782 | 3700 | |
2028 | 2977 | 3700 | |
2029 | 3185 | 3700 | |
2030 | 3408 | 3700 | |
2031 | 3408 | 3700 | ※価格据え置き |
2032 | 3408 | 3700 | ※価格据え置き |
2033 | 3647 | 3700 | |
2034 | 3902 | 3700 |
価格が逆転するのは2034年と少し先ですが、途中の2030年でも「.jp」との価格差は大幅に縮まってきています。
この価格の接近・逆転によって、これまで「安価で定番」として「.com」が選ばれてきた状況が変化するかもしれません。
こういったことは「.com」や「.jp」のみの話ではありません。
次の章からは、こういったドメインの価格変動がどのように生じるのかを見ていきましょう。
ドメイン価格が上がる仕組みとは?
ドメインの価格は、上位の管理組織が設定した価格を起点に、複数の下位組織へと卸売りと再販が繰り返される中で決まります。
ドメインの価格設定には、主に以下のような組織がかかわっています。
- レジストリ
ドメインのトップレベルドメイン(TLD、「.com」「.jp」など)を管理・運営する組織。
ドメインの安定的な運用や技術開発、セキュリティ維持にかかるコストなどを考慮し、卸値を設定します。 - レジストラ
レジストリからドメインを仕入れ、ユーザーや代理店に対して登録サービスを提供する事業者。 - リセラー(登録代行事業者)
レジストラと契約し、最終的なユーザー向けにドメインの販売や登録代行を行う事業者。

レジストリが値上げすれば、レジストラやリセラーも仕入れコストを販売価格に反映せざるを得ないため、結果としてユーザーが負担する価格も上昇します。
こうした多段階の仕組みが、価格の変動を生む基本的な構造になっています。
ドメインの価格が上昇する主な原因
ドメインの価格は、先ほど解説したとおり複数の事業者を経て決まりますが、その流れの中でとくに価格上昇を左右するのが、「仕入れ価格(卸値)」と「為替の動き」です。
事業者を通すごとに運営コストが上乗せされていくのは基本構造として変わりません。
また、ドメイン価格の変動は、レジストリの所在地や運営方針、そのTLDが対象とする範囲(特定地域向けか世界的汎用か)によっても差が生じます。
ドメインの仕入れ価格(卸値)
「.com」や「.net」などのTLDは、まずそれを管理するレジストリが設定する卸値を基準に、レジストラが仕入れます。
そのあと、レジストラやリセラーは、この仕入れ価格をもとに自社の運営コストなどを加えて、下位の事業者やユーザーに販売します。
このため、レジストリが設定する卸値が引き上げられると、その影響が段階的に広がり、最終的な販売価格の上昇につながります。

理屈の上では値下げもあり得ますが、多くのレジストリはドメインの安定的な運用やセキュリティ維持、技術開発に多大なコストをかけているため、卸値を調整せざるを得ない事情があります。
また、レジストリは単一または少数の組織が運営している場合が多く、競争が限定的です。
そのため、卸値の改定は、ドメインの安定供給を維持するために、ビジネス上の合理的な判断として捉えられています。
為替相場
主要なTLDを管理するレジストリの多くは海外に拠点を置き、米ドルやユーロといった外国通貨で取引されています。
そのため、円安など為替の変動があると、仕入れコストが直接的に増加するため、日本の利用者が支払う価格にも反映されます。

一方、JPドメインのように国内のレジストリ(JPRS)が管理するドメインは、為替相場の影響を受けず、価格が比較的安定しやすいのが特徴です。
そのほかのドメイン価格変動要因
ドメイン価格は、先に紹介した要因以外にも、プロモーションや特別な条件などでも変動します。
基本的な卸値や為替の動きによって上昇することも多い一方で、販促キャンペーンなどで一時的に抑えられるケースもあります。
しかし、取得時の割引価格だけを基準にすると、更新時の負担や追加コストで想定外に高くつくこともあるため、注意が必要。
2年目以降の更新料や追加サービスも含めたコスト総額で比較検討することが大事です。
各事業者の販促プロモーション
レジストリやレジストラは、販促プロモーションとして、期間限定のキャンペーンや割引を実施することがあります。
リセラーや代理店もその内容を反映して価格をさらに下げる場合があり、新規取得時の費用を大幅に抑えられることもあります。
ただし、更新時の価格は通常料金のままであることが多いです。
とくに取得時との価格差が大きいドメインでは更新費用に注意しましょう。
プレミアムドメイン
通常の価格体系とは異なり、ドメイン名の文字列や市場価値そのものによって価格が大きく変わるケースがあります。
過去に実際に取引された例として、「Business.com」や「Voice.com」のような短く覚えやすいものや、「Hotels.com」など業種を代表するキーワードを含むものは、非常に高値で売買されています。
とくに有名な事例では、「CarInsurance.com(自動車保険)」というドメインが、4,970万ドル(1ドル150円換算で約74億円〜75億円)という、記録的な高額で取引されました。
一般的なプレミアムドメインでも、数十万円から数百万円程度で売買されることは珍しくありません。
これらは卸値や為替といった基本的な要因より、個別の価値評価によって変動します。
「サービス維持調整費」などの追加コスト
一部のレジストラやリセラーでは、基本料金とは別に、追加費用をドメインの価格に上乗せする場合があります。
これらは「サービス維持調整費」などの名目で請求されることがあり、ドメイン本体の価格にあとから加算されることがあります。
そのため、実際の支払総額がいくらになるか、契約前に料金体系や明細を確認しておくとよいでしょう。
ドメインの値上げにどう備える?
ドメインの値上げを避けるためには、複数年契約やキャンペーン活用などの事前対策が有効です。
ドメイン価格は、単体の事業者では直接コントロールできない為替の変動やレジストリの価格改定、需要動向などで変動することがあります。
そのため、ユーザー側で契約や管理を工夫し、長期的なコスト最適化を図りましょう。
ドメインサービスが発信する情報をこまめに確認する
契約しているドメインサービス(レジストラやリセラー)は、価格改定やキャンペーン情報を公式サイトやメールで事前告知することが多くあります。
たとえば、各サービス公式サイトの「お知らせ」ページや、メールで届く案内などを定期的にチェックしておくと、値上げ前に更新できたり、お得な価格で契約・更新できたりすることがあります。
値上げは急に発表されることもあるため、定期的に情報をチェックするとよいでしょう。
値上げ前に複数年一括で契約する
ドメインは1年単位での契約が基本ですが、サービスによっては複数年分を一括して契約(更新)できる場合があります。
価格が上がる前に複数年まとめて契約すれば、現行価格のまま長期的に利用でき、将来のコスト上昇を抑えられるのが大きなメリットです。
ただし、予定より早くサイトを閉じ、別のドメインへ移行した場合でも、基本的には「途中解約で返金」はできません。
長すぎる契約にならないよう注意が必要です。
更新費用や追加コストを含めた総額で判断する
ドメインの費用を考えるときは、取得費用だけでなく、更新費用やその他の追加コストも含めた総額で検討しましょう。
初年度の価格が割引などで安くても、更新時は通常料金のままで想定外に高くつくといったようなケースがあります。
また、「サービス維持調整費」など、ドメイン本体とは別の名目で追加コストが上乗せされる場合の考慮も必要です。
契約前に、3年~5年などの複数年分の総額を試算して比較検討することで、思わぬコスト増を防げます。
レンタルサーバーの「ドメイン無料特典」を活用する
サービスによっては、契約者に「ドメインが無料で利用できる」お得な特典を提供しているレンタルサーバーがあります。
取得はもちろん、更新も無料になるため、ドメインの費用を抑える対策としてはこれが一番おすすめの方法です。
ウェブサイトやメールの運用のためにご利用中のレンタルサーバーで、無料特典を提供している場合はぜひ活用しましょう。
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対象となるTLDは主要なものが多いですが、プランやサービスによって異なるので、事前に確認しておきましょう。
以下の記事で利用方法を解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ:ドメインの値上げに備えて賢く対策しよう
この記事では、ドメイン価格が上がる背景と仕組み、そして長期的なコストを抑える方法を解説しました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- 「.com」のように、あらゆるTLDで大きく値上がりする可能性はある
- ドメイン価格はレジストリ → レジストラ → リセラーの流れで決まる
- 卸値の引き上げが価格上昇の大きな要因になる
- 円安などの為替相場の変動も価格に大きな影響を及ぼしている
- 「サービス維持調整費」などの追加コストも価格上昇の一つの要因
- 値上がり対策は「複数年契約」「割引活用」「事前の情報収集」が基本
- レンタルサーバーの「ドメイン無料特典」は値上がり対策としてもっともおすすめ
ドメイン価格は、国際的な価格改定や為替変動などコントロールできない要素で動きます。
だからこそ、情報を逃さず、契約やサービス選びを工夫することが、長期的なコスト削減につながるのです。
これからは、ドメインの価格の仕組みを理解して、先を見据えた計画的な運用を意識していきましょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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