メールが届かないのはなぜ?送信側の主な原因と解決のポイントを解説

「メールを送ったのに届いてなさそう」「エラーメッセージが返ってくる」、そんなお悩みはありませんか?
メールは日常生活において欠かせないコミュニケーションツールのひとつ。
とくにビジネスの場面では、顧客とのやりとりや、商品・サービスのPRなど、非常に重要な役割を果たしています。
そういったなかで、メールが届かない状態を放置すると、顧客からの信頼低下や機会損失につながりかねません。
そこで今回は、メールが届かない原因と確認方法について、「送信側の視点」から分かりやすく解説します。
【前提知識】メール送信と受信の流れを簡単に把握しよう
メールが相手に届かない原因を探るには、そもそもメールがどのような流れで送信されているのか、その仕組みを理解しておくことが大切。
メールは、送信者のデバイス(PCやスマートフォン)から、送信サーバーと受信サーバーを経由し、受信者のデバイスへと段階的に送られる仕組みになっています。

この仕組みのどこかでエラーが生じたり、設定ミスをしたりしていると、相手に正しく届かなくなってしまうのです。
たとえば、送信サーバーの設定に不備があってメールが送れないケースや、迷惑メールと判定されてブロックされるケースなどは、よく起こる事例といえます。
この記事では上記の例も含め、この流れのなかで生じることの多い原因について確認していきます。
メールが届かない原因は受信側と送信側双方にある
メールが届かないと一口に言っても、その原因は受信側と送信側双方にあります。
たとえば、受信側の原因としては、以下のような例が挙げられます。
- 迷惑メールフィルターの判定基準を厳しく設定している
- 受信者側のセキュリティソフトで拒否されている
- メールボックス容量が上限に達している
- 受信容量の上限が低いメールサービスを利用している
- 受信用メールサーバーに障害が発生している
これら受信側にある原因については、送信側ではコントロールできないため、解決するには「受信者に確認する」といった対応が必要になるでしょう。
一方、送信側にある原因の場合、サーバー設定の見直しや適切なメール運用をすることで、届かない事態を避けられることがあります。
そこで本記事では、状態を把握・コントロールしやすい「送信側の原因」をテーマとして、以下の3つのカテゴリに分けて解説を進めます。
メールが届かない主な原因と対処法【ヒューマンエラー編】
メールを送ったものの届かない原因としてまず考えられるのは、送信者側のヒューマンエラー。
ここでは、よく起こりがちな以下の3つのヒューマンエラーを取り上げ、それぞれの対処法とともに解説します。
これらのヒューマンエラーは、しっかりと確認すれば簡単に防げるので、以下の詳細を把握して対処していきましょう。
1. メールアドレスの入力ミス
送信先のメールアドレスを間違えて入力してしまうと、メールは相手に届きません。
メールは、正確な文字列で送信先を特定しているため、たった1文字でも間違いがあれば、送信そのものが成立しないのです。
たとえば、よくあるのが以下のようなケース。
- ドメイン(@以降)の間違い
- 思い込み(よく使われるドメインをつい入力してしまう、など)
- 反射的な入力(以前に利用していたドメインを入力する、など)
- スマートフォンなどの自動補完の選択ミス
- 複数のドメインの取り扱いがあるなかでの選択ミス
- @マークより前の入力ミス
- キーボード配列が近い文字を入力してしまう(「taro」が「raro」)
- 似た文字の入力ミス(「1」と「l」、「0」と「O」など)
- ドットやアンダーハイフンなどの記号抜け
- 全角で入力している
- 末尾にスペースが混在している
インターネット上の住所のことで、「●●●.com」「▲▲▲.jp」などの文字列で表されます。
メールアドレスの重要な要素にもなり、「sample@●●●.com」のように、@マーク以降に表記されます。
仮に、存在しないアドレスや間違ったドメインに送信すると、送信エラーを知らせる「バウンスメール」が返ってきます。
もし、そのバウンスメールに「550」「551」「553」といったエラーコードが含まれている場合、入力ミスの可能性が高いでしょう。
入力ミスを避けるには、とにかく「送信前にアドレスの確認を徹底すること」と、「手入力をできるだけ避けること」がポイント。
過去にやり取りしたことがある相手への連絡はアドレス帳から送信先を選択する、などの細かな工夫がミスの予防につながります。
2. 添付ファイルのサイズが大きすぎる
一般的なメールサービスでは、メール1通あたりのデータ容量に上限を設けていることが多いです。
そのため、添付ファイルのサイズが大きすぎると、相手にメールが届かないことがあります。
- Outlook:20MB(Exchangeアカウントは10MB) ※メール全体の容量
- Gmail:25MB ※添付ファイルの容量
- Yahoo!メール:25MB ※メール全体の容量
- iCloudメール:20MB ※メール全体の容量
(参考:Microsoftサポート「Outlook で大きなファイルを送信するために添付ファイルのサイズを小さくする」)
(参考:Gmailヘルプ「Gmail のメールにファイルを添付して送信する」)
(参考:Yahoo!メールヘルプ「メール1通の容量制限」)
(参考:サポート「iCloudにおけるメールボックスの容量とメッセージの送信制限」)
上限を超えたファイルを添付したメールを送ると、エラー通知が表示されたり、「552」のエラーコードや、「Size」「Big」といった言葉が含まれたバウンスメールが返ってきたりします。
大容量ファイルを送る場合は、サイズの圧縮や、いくつかの小さなファイルへ分割するなどの対応が必要です。
しかし、圧縮ファイル形式である「.zip」などは、相手側のセキュリティ設定によっては、受信拒否される場合も。
そのため、できれば「ファイル共有サービス」や「大容量ファイル送信サービス」を利用することをおすすめします。
送信上限を超過していなくても、受信側の上限に引っかかり、メールが届かないケースもあります。
とくに、「@softbank.ne.jp」などのキャリアメールのアドレスは、受信ファイル上限が低めに設定されているので、あらかじめ各公式サイトで受信環境を確認しましょう。
(参考:NTTドコモ「ご注意事項|ドコモメール|サービス・機能」)
(参考:au「auメール|サービス・機能」)
(参考:Softbank サポート「[スマートフォン]メールが送信できません。対処方法を教えてください。」)
3. 迷惑メールと判定されやすい件名や本文になっている
件名や本文に過剰な強調表現や不適切な文言が含まれていると、メールが迷惑フォルダに振り分けられ、相手に気付いてもらえないおそれがあります。
仮に届いていたとしても、メールを見てもらえなければ「届かない」状態と同じです。
たとえば、以下のような特徴がある場合、迷惑メールと判定される場合があります。
- 「簡単に儲かる」「今なら無料」といった誇大な広告表現が入っている
- 「緊急」「至急」など緊急性をあおる表現が入っている
- 誤字脱字が多い
- URLリンクが多い
- 装飾が派手すぎるHTMLメール
- メール内に差出人の署名がない
これらの特徴が複数当てはまるメールは、たとえ送信できたとしても、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、非表示になったりする可能性が高いです。
迷惑メールとして判定されないためには、以下の点を押さえて、受信側にとって価値のある内容を届けることがポイントです。
- 数字、根拠、期限を件名や本文に含める
- 記号、絵文字、全角英数の乱用は避ける
- 誤字脱字や不自然な表現がないか読み直す
- 記載するリンクは多くても2~3までに留める
- 管理しているドメインのリンクのみを掲載する
- HTMLメールはシンプルなデザインにする
- メールソフトで署名の設定をしておく
- メール末尾に配信停止のリンクを記載する
迷惑メールフォルダに振り分けられた場合、バウンスメールは返ってこないので、届いていない状態の検知は難しいです。
そのため、迷惑メールフォルダに入っていないか送信先の相手に確認する、メール配信ソフトを利用しているのであれば開封率が低下していないか確認する、といった対応が必要になるでしょう。
メールが届かない主な原因と対処法【システム編】
メールが届かないときの送信者側の原因には、送信環境やシステムにおける不備に起因したものも多くあります。
こうしたシステム面に関連する原因としては、主に以下の4つが挙げられます。
これらの原因を踏まえ、システム面の設定を正しく行うことは、メールをきちんと届けるための大前提となります。
1. 送信サーバーの設定に誤りがある
送信サーバー(SMTPサーバー)の設定に誤りがある場合、メールは届きません。
メール送信を処理するためのプロトコル(ルール)である「SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)」を使い、適切な送信先にメールを送信する役割を担うサーバー。
送信サーバーの設定が正しくなければ、以下のようなテキストが入ったバウンスメールが送られてくることがあります。
- Could not connect to SMTP host
- 554 5.7.1 Relay access denied
- 535 5.7.8 error authentication failed
これらのバウンスメールを確認した場合、利用しているサーバーサービスのマニュアルを確認し、正しい送信サーバー設定になっているかを確認しましょう。
XServerのレンタルサーバーをご利用いただいている場合、以下のページをご確認ください。
2. SPF・DKIM・DMARCなど送信ドメイン認証の設定漏れ
送信ドメイン認証に設定漏れがある場合、受信側のメールサーバーに「なりすましメール」と判断され、届かないおそれがあります。
送信ドメイン認証とは、「正しい人からメールが送られてきたと判断してもらうための身分証」と言えるもので、以下の3つの設定が含まれます。
送信ドメイン認証の仕組み | 概要 |
---|---|
SPF/エスピーエフ | メールの送信元IPアドレス(ドメインをコンピューター向けに数字で表したもの)が正当かを検証する仕組み。 |
DKIM/ディーキム | メールに電子署名を付与し、受信側がメールの改ざんの有無や正当性を確認できる仕組み。 |
DMARC/ディーマーク | SPFとDKIMの認証結果をもとに、受信側にメールをどのように処理するかを指示する仕組み。 |
これら3つの設定は、代表的なフリーメールである『Gmail』も送信要件として挙げており、昨今のメール運用におけるスタンダードとも言える重要な設定です。
(引用:メール送信者のガイドライン - Google Workspace 管理者 ヘルプ)
- 送信元ドメインに SPF または DKIM メール認証を設定します。
- 送信元ドメインに DMARC メール認証を設定します。DMARC 適用ポリシーは none に設定できます。
そのため、これらが未設定あるいは不十分だと、受信サーバーに「なりすましメール」や「迷惑メール」と判断されて届かないケースがあるのです。
また、DMARCで「拒否」や「隔離」の設定をしている場合、SPFやDKIMで想定外の問題が起きると、メールが届かないことも。
送信ドメイン認証に失敗してメールが届かなかった場合、「550 5.7.0」や「554 5.7.1」といったコードが記載されたバウンスメールが返ってくることがあります。
ほかにも、DMARCを設定すると確認できるレポートで、拒否されたことが分かることもあるでしょう。
メールの到達率を高めるには、SPF・DKIM・DMARCすべてを正しく設定することがポイントです。設定方法などの詳しい情報については、以下の記事をご確認ください。
3. 一斉送信や配信頻度で迷惑メールと判断されている
メール配信システムを活用して、短期間に大量のメッセージを一斉送信したり、何度も配信したりすると、迷惑メールと判定されてブロックされやすくなります。
迷惑メールフィルターは、不自然なメールの配信パターンを検知すると、不正な送信であると判断して、受信拒否や迷惑メールフォルダへの振り分けといった対応を取るためです。
たとえば、送信の事前許可を得ていないリストへの一斉配信、1分間に何千通も送信する設定をしている場合は、高い確率でブロックされてしまいます。
この場合、「421 4.7.0」「450 4.2.1」などのエラーコードが記載されたバウンスメールが届く可能性があります。また、開封率や配信成功率が急激に低下した場合も注意が必要です。
メール配信量や頻度に起因して、届かない状況にならないためにも、以下のような対応を心がけましょう。
- オプトインされた(メール送信の同意を得た)宛先にのみに送信する
- 配信数やタイミングを分散する
オプトインについては、記事後半の「オプトイン/オプトアウトを正しく設定する」で詳しく説明します。
特定電子メール法では、一部例外を除き、事前に同意していないアドレスに対する「広告・宣伝を目的とした電子メール送信」を禁止しています。
もし、この規則に違反した場合、内閣総理大臣からの是正命令が出され、その命令に従わなければ、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
企業の場合は、メールを送信した本人を罰することはもちろん、別途企業に対しても3,000万円以下の罰金が科される点は注意してください。
4. セキュリティソフトでブロックされている
送信側で導入しているセキュリティソフトの設定によって、メールの送信がブロックされてしまうことがあります。
セキュリティソフトは、ウイルス対策や不審な通信の遮断を目的として、送信サーバーへの接続や特定の添付ファイルの送信を制限することがあるためです。
たとえば、ファイアウォールで特定のポート番号がブロックされていたり、「.exeファイル」や「パスワード付き.zipファイル」の添付を制限していたりするケースなどがあります。
外部からの不正アクセスや、内部ネットワークからの危険な通信を防ぐためのシステム。
送信サーバーが、メール送信に使用する経路を識別するための番号のこと。
暗号化通信に利用する「465」や「587」、その代用で用いられる「2525」が一般的です。
利用しているメールソフトが「接続できない」「タイムアウトする」といったエラーを表示する場合は、これらに該当する可能性があります。
そのときは、セキュリティソフトが通信や添付ファイルを遮断していないかを確認してみてください。ファイアウォールの例外設定や、添付ファイルの形式変更などで改善できることがあります。
メールが届かない主な原因と対処法【外部要因編】
メールを送信できたように見えても、外部要因で相手に届いていないケースもあります。
とくに、ヒューマンエラーにも心当たりがなく、送信ドメイン認証なども設定しているのに届かない場合、外部要因が関係していることが多いです。
外部要因にもさまざまなものがありますが、そのなかでも代表的なものとして、以下の2つのケースを取り上げます。
メールが届かない場合は、上記のような外部要因についても確認し、対策を取ることが求められます。
それでは詳細を見ていきましょう。
1. IPやドメインの信用度(レピュテーション)が低い
IPアドレスやドメインの信用度が低いと、受信拒否されたり、迷惑メールとして分類されたりする可能性が高くなります。
IPアドレスなどの信用度は「レピュテーション」という言葉で表されます。
メールの送信元を信頼できるかどうかを判断する基準として、以下のような要素で評価されているのです。
- メール送信のエラー率(無効なアドレスへの送信等)
- 迷惑メールとして報告された件数
- ブラックリストへの掲載履歴
- 突発的なメール送信量の増加はないか
- 内容に迷惑メールと思われる表現は含まれていないか
IPアドレスなどの信用度は以下のようなサービス(いずれも英語サイト)で調べられます。
なお、Gmailに特化して調べたいなら『Postmaster Tools』がおすすめです。
一度信用度が下がってしまっても、適切なメールを運用すれば回復する可能性があります。
以下のポイントを押さえて運用するとよいでしょう。
- ユーザーにとって有益なコンテンツにする
- オプトインされたユーザーにのみ配信する
- メール配信停止の仕組みを取り入れる
- 送信ドメイン認証を設定する
- 配信頻度やタイミングを配慮する
一般的に使われている「共有サーバー」を利用している場合、サーバーの住所であるIPアドレスも他ユーザーと共有しています。
その場合、いくら適切なメール運用をしていても、他ユーザーが悪質なメール運用をしていれば、IPの信用度(レピュテーション)は下がってしまいます。
こうしたリスクを避けたい場合は、専有IPアドレスへの移行がおすすめです。
詳しくは、記事後半にある「専有IPアドレスに乗り換える」で解説します。
信用度低下はブラックリスト入りにつながる
IPやドメインの信用度(レピュテーション)が著しく下がると、最終的にブラックリストに掲載されます。
不正なメールを送信しているIPアドレスやドメインが一覧で記載されたリスト。
多くの受信サーバーにセキュリティ対策として参照されています。
もし利用しているIPアドレスやドメインがブラックリストに載っていると、受信拒否されたり、迷惑メールに振り分けられたりする可能性が高くなってしまいます。
ブラックリストへの掲載が原因で受信拒否された場合、「421 4.7.0」などのバウンスメールが届くことがあります。
そのため、利用しているIPアドレスやドメインがブラックリストに載っていないか、定期的にチェックすることが重要です。
IPやドメインがブラックリストに入っていないかは、以下のようなサイトで確認できます。
- MGT.jp
- What Is My IP Address Blacklist Check(英語表記)
- MX Toolbox(英語表記)
もしブラックリストに載っていた場合は、解除申請を行ってください。
解除申請方法は各ブラックリストの管理団体によって異なるので、確認しましょう。
2. メールサーバー障害やトラブル
メールが届かない原因の一つに、送信サーバーの障害や一時的なトラブル、またはインターネット障害があります。
サーバー自体が停止したり、通信が混雑したりしていれば、メール送信が正常に処理されないことも。
こうした状況でメールを送信しても、「421 4.7.0」や「451 4.4.2」などのエラーコードが記載されたバウンスメールが返ってきて、相手にはメールを送信できません。
メールサーバーやインターネットなどの障害が生じている場合は、「少し時間をおいて再送信する」といった対応をしてみてください。
また、障害がなくても、メールサーバーが定期メンテナンス中、あるいはシステム更新中にメールを送信しても届かないことがある点は留意しておきましょう。
サービスによっては、障害情報やメンテナンス情報を出していることがあるため、確認してみるのも一つです。
大きな障害であれば、SNS上で関連情報が投稿されていることもあるので、このあたりもチェックしましょう。
【予防策】メールが届かない状況に陥らないための方法
ここからは、メールが届かない状況に陥らないための予防策についてご紹介します。
日頃から適切な環境整備と仕組みを作っておくことで、メールが届かなくなることを未然に防げます。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
それでは一つずつ解説します。
1. 送信前のチェックリストを用意する
送信前チェックリストを活用することで、ヒューマンエラーによる届かない状況を未然に防げます。
メールが届かない原因には、アドレスの入力ミス、添付ファイルの容量超過、不適切な件名など、些細な確認漏れから発生するものも多く含まれるためです。
チェックリストの項目例は以下。
- 宛先のメールアドレスに間違いはないか?
- 送信先のリストは最新化されているか?(無効なアドレスは含まれていないか?)
- 添付ファイルのサイズは大きすぎないか?
- 件名や本文に過剰な表現などは含まれていないか?
- HTMLメールで、過剰な装飾になっていないか?
- メールの配信量やタイミングは適切か? 分散できないか?
チェックリストを準備することで、ヒューマンエラーを防止できるうえ、適切なメール配信環境の実現によるIPアドレスなどの信用度管理にもつなげられます。
チェックリストは費用や大きな手間をかけることなく準備できるので、ぜひ作成してみてください。
2. オプトイン/オプトアウトを正しく設定する
迷惑メール判定を防ぎ、正しく相手にメールを届けるには、オプトインとオプトアウトの仕組みを整えることが重要です。
ユーザーに対してメールを送るとき、あらかじめ承諾を得ること。
以下のような方法がよく行われています。
- メルマガ申し込みフォームにメール配信の同意項目を設ける
- メールアドレスを仮登録してもらい、確認メールを送信して、本登録してもらう
事前にユーザーの承諾を得たメールは、迷惑メールと判定されるリスクを下げられます。
なお、インターネット上にメールアドレスを公表している人や、名刺交換でメールアドレスを取得した人に対してメールを送るといった場合は、例外的にオプトインは不要です。
受信者側でメール配信を停止できる仕組みのこと。
メール本文の末尾に、「配信停止はこちら」といったリンクを設置するなどの対応が主流です。
受信者に配信停止の選択肢を提供することで、迷惑メール報告されたり、ブロックされたりする事態を防ぎやすくなります。
このオプトインとオプトアウトの仕組みを適切に設計することで、メールの受信者と適切な関係を築けます。
メールの信頼性を高め、きちんと届けるためにも、オプトインやオプトアウトのルールに沿った透明性のある運用を心掛けましょう。
Googleは、1日あたり5,000件以上のマーケティング目的のメールを、Gmailアカウント宛に送信する場合の要件として、オプトアウト設定も挙げています。
3. 専有IPアドレスに乗り換える
チェックリスト運用やオプトイン・オプトアウトを適切に設計していたとしても、共有IPアドレスを使っているときには、他ユーザーのメール運用の影響は避けられません。
もし、こうした影響を避けつつ、安定したメール配信環境を実現したい場合は、専有IPアドレスへの乗り換えが有力な選択肢になります。
専有IPアドレスとは、その名の通り、自分が独占的に利用できるIPアドレスです。
自分のメール運用の質だけで評価されるため、信用度(レピュテーション)の管理もしやすく、結果的にメールの到達率が安定します。

適切なメール運用をしている限り、「IPアドレスの信用度が下がってブラックリストに載ってしまう」といった事態も避けられます。
弊社はIPアドレス専有が可能な「マネージド専用サーバー」を提供しています。
共有サーバーよりも利用料金が高くなるものの、IPアドレスの信用度をコントロールし、安定したメール配信を実現可能です。
他ユーザーのメール運用の影響を避け、より確実なメール配信環境を実現したい方は、以下のページよりご確認ください。
メールが届かない状況に関する「よくある質問」
最後に、メールが届かない状況に関して、よくある質問をご紹介します。
1. 送信済みになっているのに相手に届いていないようです。
送信済みと表示されても、相手の受信環境でブロックされている可能性があります。
送信完了の表示は、あくまで送信側の処理が完了したことを示すものであり、受信成功までを保証するものではありません。
メールは送れているものの、相手の迷惑メールフィルターやセキュリティソフトなどに受信拒否されていたというケースもあり得ます。
そのため、送信済みになっているからといって安心せず、「相手に届いているか直接問い合わせる」「時間差でエラーメッセージが届いていないか確認する」などの対応を取りましょう。
2. 特定の人(ドメイン)にだけ届かないのはなぜですか?
相手先のメールサーバーやセキュリティポリシーによって、受信可否の条件が異なるためです。
たとえば、Gmailは独自の迷惑メール基準やガイドラインを持っており、その基準を満たしているかによって、届くかどうかが変わります。
(参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「メール送信者のガイドライン」)
Gmailには届かないが、社内アドレスには届くといった場合は、Gmailのガイドラインを満たせていない可能性があります。
特定のアドレスに届かない場合は、各メールサービスのガイドラインを確認し、それに応じたメール内容や設定ができているかを確認しましょう。
3. エラーメッセージが出ないときはどう確認すればいい?
エラーメッセージ、つまりバウンスメールが返ってこない場合でも、届いていない兆候を別の方法でチェックできます。
バウンスメールは一部のケースにしか返されず、迷惑メールフォルダへの振り分けなどは通知されません。
そのため、「届いていないかも」と感じたら、受信者へ直接確認する、あるいは送信ログの確認、開封通知を有効にするといった対応をしてみましょう。
エラーが出ていないからといって、必ずしも届いているとは限らないため、状況に応じてほかの方法で確認することが大切です。
4. メールが届かない状態を放置するとどうなるのでしょうか?
メールが届かないことによる影響は様々ですが、とりわけビジネスシーンにおいては、大きな悪影響を及ぼすおそれがあります。
とくに、メールを顧客との主要なコミュニケーション手段としている場合、顧客対応の遅れとそれに伴う信頼の低下、機会損失などに直結しかねません。

たとえば、顧客からの資料請求や問い合わせに対して、こちらから返信したメールが届かなければ、「対応が遅い」「この会社は信頼できない」と判断されてしまうことも。
また、契約案内メールを送ったはずが届いておらず、結果的に顧客を逃してしまうことも考えられます。
こうしたリスクを回避するためにも、メールが届かない原因を把握し、適切に対処していくことが必要です。
まとめ
この記事では、メールが届かない状況について、送信側にある原因や対処法を解説してきました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- メールが届かないとき、受信側だけでなく送信者側にも原因があることも
- 主な送信者側の原因としては、以下のようなものが挙げられる
- メールアドレスの入力ミス
- 添付ファイルのサイズが大きすぎる
- 迷惑メールと判定されやすい件名や本文になっている
- 送信サーバーの設定に誤りがある
- SPF・DKIM・DMARCなど送信ドメイン認証の設定漏れ
- 一斉送信や配信頻度で迷惑メールと判断されている
- セキュリティソフトでブロックされている
- IPやドメインの信用度(レピュテーション)が低い
- メールサーバー障害やトラブル
- メールが届かなくなる前に以下の予防策を取ることが有効
- 送信前チェックリストを準備する
- オプトイン/オプトアウトを適切に設定する
- 専有IPアドレスに乗り換える
メールは、特にビジネスシーンにおいては欠かせないコミュニケーション手段です。
届かない状況を放置してしまえば、相手からの信頼が低下し、機会損失につながるおそれもあります。
そのため、メールが届いていない可能性があれば、原因を探り、対処をしなければなりません。
ぜひこの記事を参考に、適切なメール運用を実現してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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